不二家憩希のブログ

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班での告別式参列。その⑨

 開式の11時になった。
 葬儀業者の司会により、式は始まった。
 威厳を持たせようとしてなのか、もったいぶった口調であ
る。
 「ご導師様、ご入場です。皆さま、合掌でお迎えください」
 ご導師様か。
 偉そうな呼ばれ方だな。
 「お坊様」と言うよりも特別な感じがして良いのだろうか。
 会場後方から僧侶が入場してくる。
 通夜と同じ僧侶である。
 読経が始まる。
 重みの無い読経だが、そこは聞き流す。
 よそ様の葬儀にケチをつけてはいけないからだ。
 焼香が始まる。
 遺族から行われ、次に班からの参列者の番になる。
 一般参列者よりも重く扱われている、ということであろう。
 そして一般の参列者の番になった。
 参列者は一けた、数人である。
 そのため焼香はすぐに終わってしまった。
 席に戻り、読経を聞く。
 奥さんが「(故人)は、そんなに付き合いが無かったから、
人は来ないと思う」と言っていたが、本当にその通りだった。
 故人自身の知己が少ないのはともかく、家族の関係者
も少しは来るだろう。
 しかし、それも少ない。
 意外である。

 ~続く~