私は自転車に乗って家を出た。
快晴である。
最高気温は10℃と予報されている。
この時期としては、例年並である。
だが、風が強い。
瞬間最大風速17mある。
これくらいの風だと体感温度はマイナス5℃だろうか。
風向きは北西である。
あぁ、私がこれから向かう方向ではないか。
私は自転車を走らせる。
真正面から風が向かってくる。
前進を阻む。
いつも通りペダルを踏んでも、なかなか進まない。
体温も奪う。
冬の向かい風はなかなか厳しい。
しばらく走り、私は目的地に着く。
そして用事が済む。
今回はUターンで家に戻る。
再び自転車に乗る。
あれ?
風が吹いていない。
スイスイ進むな。
日差しもあるし、実に快適である。
本当に風が止んだのか ?
そうではないようだ。
風向きと同じ方向に走っているので、風が背中を押して
いるのだ。
追い風である。
そのため、風がない様に感じただけのようだ。
風も向かい風なら腹立たしいが、追い風なら嬉しい。
人生とは、そう言うもののようだ。
私は楽しく自転車を走らせ家に向かった。