もうかなり前のことである。
私の遠い親戚の家に電話がかかってきた。
「お宅の息子さんのことなんですが」
どうも仕事の関係者らしい。
親戚は普通に話を聞いていた。
電話の向こうの男は、息子が置かれた状況を説明
する。
そして「すぐに〇〇万円を振り込んでください」と言
ってきた。
親戚はすぐに(あっ!振り込め詐欺だ)と気づいた。
そして咄嗟にこう言った。
「えぇ~と、何番目の息子の話ですか?」
何番目?
こう言われた相手の男は、すぐに黙ってしまった。
何番目の息子か、なんて考えていなかったのだろう。
それに、ここで間違えたら、嘘がばれ詐欺話全部
が駄目になる。
親戚は返答を待った。
だが、電話はそのまま切れてしまった。
男は詐欺をあきらめたのだろう。
ちなみに、その親戚には息子は一人しかない。
う~ん、なかなかやるなぁ。