電話が鳴る。
わが家の電話はナンバーディスプレイは無い。
だが、かかってくる曜日や時間帯で大体の見当が
つく。
今だと多分電話セールスだな。
さもなければ訃報その他の緊急連絡の電話であろ
う。
まぁ、その確率は極めて低い。
1%以下だろう。
私は立ち上がって電話口に行く。
受話器を取り上げて軽く耳に当てる。
「あ!ご主人様ですか?!わたしぃ、〇〇ホームテ
ックともうしましてぇ」
あぁ、また外装工事とかの会社か。
それにして、遅いテンポの話し方だな。
ていないようだ。
日本語で話せば良いって言うものでもあるまい。
見ず知らずの人にいきなり電話するのなら、もっと綺
麗な日本語で話すのが礼儀であろう。
私は短く断りを入れ、すぐに受話器を下ろした。
こんな電話が年中来る。
私は今回の電話で2秒ほどムッとした。
だが、こんなことで腹を立てていたのでは人間として
の進歩がおぼつかないと思い、気持ちをすぐに切り替
えた。
人生修行の連続である。