不二家憩希のブログ

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ネットで評判の金物店に行ってみた。その③

 その男性は店の主人のようだった。
 茶色の濃淡の柄のセーターに茶色のゆったりした
ズボンを穿いている。
 金物屋の店主という感じではないな。
 ブティックのオーナーという出で立ちだ。
 私は探している小鍋について尋ねた。
 店主は、いくつか鍋を出して並べて見せた。
 だが、いずれも私の要望とは少しずつ外れている。
 形も違うし、サイズも違う。
 何より価格が大きく違う。
 高すぎる。
 高級品、人気ブランド品なのだろう。
 それらは私の想定を大きく超えていた。
 私は、希望に添う品が見当たらない旨を店主に告げ
店を出た。
 当地にこんな店があったのか。
 店の外見通り、品揃えも高級品ばかりだった。
 東京とかの大都市ならともかく、当地のような地方都
市にあるとはちょっと意外だった。
 特別繁盛しているようにも見えなかったが、熱心な固
定客がいるのだろう。
 他店との差別化を図っての高級化なのか、元々そう
いう経営方針なのか。
 隣の市でも私の知らない店が、いくつもある。
 近くに住んでいても知らないことは、いくらでもあるのだ。
 私はその店をあとにし、他の用事先に向かった。