夜8時50分頃、私はラジオをつけた。
今週のNHK-FM「ベスト・オブ・クラシック」は室内
楽の特集である。
流れてきた音楽は、今まで聞いたことがないよう
なサウンドだった。
クラシック音楽ではあるが、何かちょっと違う。
ムードミュージックのようでもある。
映画音楽のようでもある。
かといって軽々しくはない。
いずれにせよ、美旋律が次々と繰り出されてくる。
これは誰の作品なのだろう?
名前から言うと、ロシアっぽいな。
翌日、私はシチェドリンについて調べてみた。
ロディオン・シチェドリンは1932年生まれのロシア
の作曲家で旧ソ連時代に国家の指導的立場にいた
人で1973年から1990年までソ連作曲家同盟の議長
を務めている。
まだ存命の作曲家である。
ソ連時代に要職に就いていることからもわかるように、
人のようである。
ソ連時代は、苦悩や不条理といった主題を音楽など
で取り上げることは共産党が禁じていた。
そうした作品は発表させてもらえず、作曲家は弾圧
を加えられた。
ソ連中枢は国民、大衆にわかりやすい音楽を供給す
るように音楽家に圧力をかけていたのだ。
そうしたことにより、旧ソ連時代の音楽は、聞くと実に
楽しい音楽が沢山残されている。
シチェドリンもそうした作曲家の一人のようだ。
また新しい作曲家を知ることができた。