桜並木の通りを自転車で走る。
桜の葉も紅葉している。
こうした桜の紅葉は桜紅葉と呼ぶそうだ。
歳時記にも載っている言葉で晩秋の季語となって
いる。
この桜紅葉は世間では殆ど話題にならない。
マスメディアに取り上げられることもまずない。
だが私はこの桜紅葉が昔から好きである。
紅葉として美しいではないか。
鮮烈な赤ではなく、控えめな赤みという点が良い。
枝にしがみつき、風に揺れる風情も良い。
「ほら、私が紅葉だ!」という押しつけがましいとこ
ろもない。
「見てよ、見てよ」というアピールもない。
この控えめなスタンスが好ましい。
人知れず紅葉し落葉する。
どうして、今まで桜紅葉は表舞台に出てこなかった
のだろうか。
地味すぎるからか。
街中にもあり、ありふれているからか。
誰も見向きもしないのなら私が立ち上がろうではな
いか。
私は、今後桜紅葉を応援することにする。
皆様、桜紅葉の美しさにご注目いただきたい。