不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

桜の紅葉。

 桜並木の横を自転車で通った。
 葉が紅葉して、アスファルトに落ちている。
 桜の葉の紅葉もなかなか良い。
 桜の紅葉は、葉のデザインや発色、密集度な
どの点で観光資源にはなり得ないだろう。
 葉は普通のありきたりの形で面白みに欠ける。
 また、大きくて無骨である。
 色も真っ赤にはならなず、くすんでいる。
 美しいという色合いではない。
 葉と葉の間隔が大きく木自体も密集して植えら
れていないので、紅葉以外の空いた空間が大き
く「一面の紅葉」ということにはならない。
 そのため桜は紅葉界では脇役である。
 だが、それでも独特の味わいがある。
 紅葉し、そして落葉せざるを得ないところに、こ
の世の仕組みを教えられる。
 人もまた桜の葉なのである。
 桜の木には、まだ沢山の紅葉がある。
 そして、これらの葉が全部落ちると、いよいよ冬
本番である。
 桜は黙って季節の到来を告げている。