不二家憩希のブログ

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P・フォーク~コロンボ警部を生み出す。その③

 テレビドラマ・映画の脚本を大きく分類してきたが、
3番目はオリジナル脚本である。
 過去から現在まで放映、上映されている多くの作
品がこれにあたるのではないだろうか。
 オリジナル脚本は、最初からドラマや映画のため
に書かれており、制作者サイドには都合がよい点が
多い。
 登場人物の設定も緩やかである。
 これは、凝って過度に詳細な設定にしてしまうと、
演じられる俳優が見つからなくなってしまう恐れがあ
るからでもある。
「芝居としては優れているんだけれど、肝心の役者
が見つからない」というのでは、どうにもならない。
 俳優を探している内にお蔵入りしてしまう可能性も
出てくる。
 脚本は、放送・上演されて初めて機能するもので、
作品に使ってもらわなければ事実上ボツである。
 創作の努力も水の泡である。
 そうならないように、人物設定も予め余裕を持たせ
るのである。
 また、撮影の途中で監督などの意向によりキャラ
クター設定を微調整することも出来る。
 テレビドラマの場合は、放送が進むに連れ、設定
に変化を加えることも可能である。
 これが、原作が小説だったりすると、少しの変更も
認められなかったりする。
 また、原作を視聴者・観客が事前に読んでいるの
で「あぁ、ここは原作とは違うんだなぁ」と残念に思わ
れたり、「原作と違っているので気に入らない」という
評価を下されることもあり得る。
 雑音が発生する可能性が高いということである。
 オリジナル脚本は、そうした事態を回避することが
出来る。
 ピーター・フォークが演じることになる”刑事コロンボ
は、このオリジナル脚本による作品である。 
 
 ~続く~