不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

予想外だった台風12号。

 今回の台風12号が日本に来る前、これほどの
被害がもたらされるとは誰も考えてはいなかった
のではなかろうか。
 日本へ接近中までのデータで見ると大きく強い
台風ではあったが、その時点の観測数値で見る
りよくある台風のひとつだった。
 ただ、移動速度が極めて遅く、日本列島に接近
するまでが時速10㎞、上陸した後が少し上がって
15㎞だった。
 気象関係者は、この遅い移動速度のため滞留
時間が長くなり被害が拡大する可能性がある、と
発表していた。
 これは、私のような気象素人でも大体予想がつ
いた。
 しかし、これほどの被害が出るとは思いも寄らな
かった。
 特に紀伊半島の和歌山、奈良、三重は酷かった。
 濃い雨雲がこの3県の上空から3日もの間、殆ど
移動しないで留まっていた。
 私はその様子をネットの衛星画像で見ていた。
 このように長期間一カ所に雨雲が覆っていること
は極めて異例なことだ。
 雨雲が意志を持って動かないでいるかのように見
えた。
 この雲は1000㎜を超える雨を降らせた。
 この大量の雨と台風の強風により巨大な土砂崩れ
が起こった。
 いくつもの集落が土砂に流された。
 那智大社も土砂に埋もれてしまった。
 奈良県五條市で起きた土砂崩れの目撃者によると
「バリッ、バーンという音がして、土砂や樹木が風圧
で集落の高さに持ち上がった」と説明した。その集落
は川から数十メートル高台にあるが、「川が津波のよ
うに襲ってきた」のだそうだ。
「すべては3秒もかからなかった。無くなった家もすべ
て山が崩れた風圧でやられてしまった」
 雨が降り続いていたとはいえ、たった3秒間での出
来事である。
 これでは、人間は何処にも逃げようがない。
 自然は人間を何処に追い込もうとしているのだろう
か。