不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

鳥取の温かい手。

 先月末からの大雪は鳥取にも被害をもたらし
た。
 そんな中で、この地でも善意の手は差し伸べ
られていた。 
 大晦日に山陰地方を襲った大雪のため国道9
号線で大型タンクローリーがスリップする事故が
発生した。
 これにより、国道9号線はまひし、琴浦町から
大山町にかけて最大23㎞、約千台のクルマが
最長42時間にわたって立ち往生した。
 多くのドライバーが大晦日車中泊を余儀なく
されたわけである。
 これを見て国道9号線沿線の琴浦町、大山町
の方々は、立ち上がった。
 ドライバーたちのために炊き出しを行い、コーヒ
ーを配り、トイレを開放したりして支援したのだ。
 琴浦町の自動車部品製造「鳥取部品」では隣接
して経営している介護施設のトイレを開放しコーヒ
ーを提供した。
 その隣の看板製作会社の先代社長の祇園和康
さん79歳は「トイレ」と書かれた看板を出し、おにぎ
りを振る舞った。
 大山町松河原の食堂経営の山岡清温さん53歳は、
4升の米でおにぎりを作り、住民と配って歩いた。
 鳥取部品の朝倉部長は「周囲の住民を見習っただ
け。小さな事が大きな助けになることを実感しました」
「大したことをしたとは思っていないのに、こんなに感
謝されるとは。人が困っている時に協力できて良かっ
たです」と話している。
 祇園さんは「全国から感謝の手紙が届き、反響に驚
いた。古里に根付いている人情や助け合いの心をこれ
からも大切にしたい」と語った。
 幹線道路がまひしているということは、地元にとって
も孤立化の危機に直面しているということである。
 そんな中で、琴浦町、大山町の方々は自分たちより
も困っている人を大雪の中、助けて歩いた。
 しかも多くのドライバーたちはただの通りすがりであ
ろう。
 目の前の困難に対処するだけでも精一杯なのに、他
人のことまで思いやれるとは、何と素晴らしいことだろう。
 この冬の大雪は大きな被害を残した。
 だが、人は自らの温かさにより、それらを克服していけ
るということをこれらのエピソードから教えられた。