不二家憩希のブログ

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初盆法要へ行ってきた。その⑩

 駅から親戚の家まではクルマで40分ほどの距離
がある。
 私はバスを待ち、そして乗り込んだ。
 曲がりくねり、起伏の激しい道を走っていく。
 途中、山の崩落防止の工事が何カ所もで行われ
ている。
 上り坂がしばらく続いた後、少し開けた風景となる。
 もうすぐ到着である。
 親戚の家は山間の小さな高原にある。
 町の中心を南北に伸びる国道の他は、この町へ
入る道は無い。
 見渡すと町というよりも”村”という感じであるが、行
政上は間違いなく町である。
 ここは面積が広い郡部で山間に点々といくつもの
集落がある。
 それらの集落が集まって町となっている。
 それぞれの集落に行くには山をいくつか超えなけれ
ばならず、集落には町役場の出張所がある。
 集落だけで機能しており、一種の遮断された環境
にある。
 そのため文化的にも独自性があり、他には無いこの
地域特有の伝統が残っている。
 柳田国男折口信夫らが研究取材に訪れ文献を
残している。
 バス停から目指す親戚の家までは、すぐ近くである。
 町の唯一の目抜き通りの端近くに親戚の家はある。
 玄関先には初盆であることを示す提灯がぶら下がっ
ているのが見えた。
 ようやく着いた。
 雨は既に止み青空が広がっていた。
 
 ~続く~