これは11月の始めころのことである。
私は用事のついでに市内の有名寺院に寄って
いくことにした。
当市には全国的に有名な○○寺がある。
この寺には北海道や鹿児島からも観光バスが
やって来る。
正月には大変な人出となる。
警察による交通規制も年中行事となっている。
どうして、そんなに参拝客が多いのか、不思議
に思えてくる。
それが信仰心のなせる技か、あるいは単なる
人気観光地ということだけなのか。
さて、今回の参拝は私にとっては初詣というこ
とになる。
「えぇ~!?今頃初詣?」と思われるかもしれない。
だが、本当なのだから仕方がない。
そしてこれでも今年は早い方なのだ。
ある年には12月30日の初詣ということもあった。
一回も参らなかった年もある。
「ははぁ~ん、拝観料を取られるからだろう」と思わ
れる方もおられるかもしれない。
そうではない。
拝観料無しの入場無料である。
なぜそうなるかといえば、寺院は365日いつでも
開いているので「まぁいつでもいいな」と思ってしまう
からだ。
「期間限定公開!」とかになれば「これは行かなくて
は」と思うのかもしれない。
実はこの寺院には他に鬱陶しい部分があり、それ
でこの寺院から足が遠ざかっているのである。
その鬱陶しい部分についてはまたの機会にでも記
すとする。
久しぶり参拝した寺は、昔のままだった。
本堂からは読経の声も聞こえてくる。
私は作法どおりの参拝を済ませると寺を後にした。