先週、家の裏の雑草取りをした。
私はそこを普段は見てみぬふりをしている。
家の表ならともかく、裏なのでまぁいいか、
と放っておいたのだ。
いつもキッチリきれいにしておられる方なら、
そんなことはしないだろうが、私はいい加減な
人間なのだ。
家の裏とはいえ見ている人は見ていますよ、
と言われることだろう。
だが、見ている人は見ているだけである。
我が家の家事を手伝ってくれるわけではない。
私が男の一人暮らしだと知っている人は、
まぁ仕方ないなぁ、と大目に見ていてくれるか
もしれないが、そうした事情を知らない人は、
何だこの家は!と思っておられるかもしれない。
しかし、そんな知らない人の心中まで配慮す
るほど、私は大物ではない。
そんな私でも、これはまずいな、と思えるほど
家の裏の雑草は伸びていた。
どこから種が飛んできたのか、昨年とは違う
種類の雑草が生えている。
どうしてこんなに生えるのだろう。
やはりこれは、UFOに乗った宇宙人が夜中に
こっそり雑草の種を撒いているに違いない。
私は軍手をはめて雑草取りを始めた。
数年前は、素手で雑草取りをしていた。
だが、雑草の中には棘を持っているものもあり、
作業が終わると手が棘だらけになってしまってい
た。
棘自体は特に痛くは無いが、それでも棘が刺
されば嬉しくは無い。
それで軍手の出動ということになったのだ。
今年の新顔の雑草は、タンポポのような綿毛
の種を作るもので高さが50㎝ほどもある。
こいつらは、おそらく移動距離が大きい。
どこかから飛んで来たのだろう。
しかし、お前たちの寿命もここまでだ。
悪く思うなよ。
私はズボッズボッとそれらの雑草を抜いていく。
未だ生えて間もないのか、意外と簡単に抜けて
いく。
作業は1時間程で終わった。
家の表に戻って来て家に入ろうと着ているシャ
ツを見た。
そこには、その雑草の種が何十個も付着してい
る。
そのとき着ていたのは生地がツルツルのカッタ
ーシャツである。
それなのに、種は当たり前のように付いている。
なんて奴らだ。
自分は抜かれても、子孫は残そうというわけか。
私は、それらを丁寧に一つずつ取り去り、捨てた。
雑草め、お前らの思う通りにはいかせないぞ!
雑草との戦いの季節は始まったばかりである。