結局はいつもの自転車屋さんに向かう。
今度も自転車にまたがって、地面を蹴って
前進する。
古い時代の英国人になったような気分であ
る。
足は疲れるが、案外進むものである。
傍から見るといい大人がふざけているように見
えるかもしれない。
そうしているうちに、自転車屋さんに到着した。
早速事情を説明する。
ご主人は、私の話を特に驚くこともなく聞い
ていた。
前の自転車屋の人とは大違いである。
これは特別なことではないのか?
「これはシャフトがいかれているかも」
ご主人は、そう言ってペダルやチェーンを外し
はじめた。
そしてチェックが終わったらしく手を止めて説
明を始めた。
「シャフトが○○になっていて、ベアリングが△△
になっちゃっているんですよ」
丁寧に説明されたのだが私には何のことだか
さっぱりわからない。
私は機械や電気について実に無知である。
そのため説明されたこともよく理解出来ていな
い。
今こうして記していても、その時ご主人が何と
仰ったのか覚えていない。
伏字になっているのはそのためである。
理解出来ていなければ、記憶にも残らないの
である。
そうですか、それでお幾らかかりますか?
「大体6000円ですね」
6000円か。
まぁまぁするな。
だが他ならぬ私の足のためである。
私は修理してもらうことにした。
「それじゃ、悪いけれど他の修理が先に入ってい
るので、その後に取り掛かるので、出来上がった
ら電話します。大体3時頃になると思います」
私は名前と電話番号を教え、自転車店を出た。
私はそのまま歩いて用事先に向かった。
歩きはやはり時間がかかる。
その後自宅に戻って少しして電話が入った。
1時だった。
予告していた時刻よりもだいぶ早いなぁ。
私は、すぐに受け取りに行った。
おぉ~直っている。
私は、すぐに乗って走り出した。
乗った感じも良くなっている。
いろいろと他の箇所も調整してくれたようだ。
これこれ!
特に言ってなくても、おまけでちょっと手を入れ
てくれるのが消費者には嬉しいものなのだ。
そうされると、次もここのお店で、と思ってしまう
のだ。
走ると初春の風が気持ちよかった。