不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

マッサージチェアを運び出す。その⑪

 私は、便利屋に電話してみることにした。
 今まで便利屋を利用したことは無い。
 マスメディアでは見聞きするものの、自分
が必要としたことがなかったからだ。
 それに、私の周辺の人達も便利屋を使っ
たことがあると言う話は聞いたことが無かっ
た。
 私は、電話口に出た担当者に依頼事項を
話した。
 マッサージチェアのごく短距離の運搬であ
ること、その運搬距離も全部で6㍍ほどであ
ること、マッサジチェアは旧式なので60キロ
程で軽いこと、などを、説明した。
 担当者はそれを聞き終わるとこう言った。
「それでは、料金は一万円になりますね」
 一万円!
 それは高いなぁ。
 5分もかからない仕事ですよ、と私は言った。
「そうですが、2人を出すとなると、最低でも1
万円からなんです」
 うわぁ~、高過ぎる。これはぼったくりじゃな
いか!私はそう思った。
 便利屋の料金についてはいろいろとご意見
もあるとは思う。
 だが、こんな簡単な仕事で1万円も要求する
とは、困っている人に付け込んだ料金設定で
はないか?
 何が便利なものか!
 便利なのは、簡単に料金をふっかける便利屋
の方だ。
 私は、そう思ったが口には出さず、ソフトに電
話を締めくくって受話器を置いた。
 いくらなんでも、こんなことに1万円は出せない
な。
 私は再び考えるのだった。
 
  ~続く~