不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

県護国神社への寄付を集めて回った。その⑨

 Tさん宅は、このあたりでは珍しい3世帯
同居である。
 お爺さんと呼ぶにはまだ若過ぎる夫婦とそ
の子供夫婦とその子供が住んでいる。
 そのためか他の家と変らない敷地に3階建
ての家を3年前に立て直したばかりである。
 そして、ここの次男は青年団の相談役であ
る。
 ドアフォンで呼ぶと、この家のお爺さんが
出て来られた。
 ここではお爺さんと記しているが、私から
見たらまだおじさんである。
 私はまず赤い羽根を渡す。
 それから県護国神社の寄付金の件で来たこ
とを告げた。
 するとTさんは、こう言った。
「まぁ、今年はやめとくわぁ」
 な、何~?
 今年はやめとく、って払わないってことか?
 私は念のためにもう一度尋ねた。
「では、今年はナシってことで?」
「そういうこと」
 Tさんは、そう言うと気まずい顔をしてい
る。
 この場合、これ以上食い下がってもよろし
くない。
 私はそのまま引き下がることにした。
 まさかTさん宅で拒否されるとは思わなか
った。
 息子は青年団の相談役と言う町内会でも要
職を務めているてため、当然寄付をすると思
っていた。
 それとこれとは違うってことか?
 3世帯、6人も大人がいるのに、ゼロ回答
か。
 3世帯なので、相場の100円×3=300円
と計算していたわけではない。
 一軒に住んでいるので100円で十分だと
思っていた。
 その100円も出せないのか?
 暮らしに困っているようでもないし、お爺
さんは毎週のように船を出して釣りをしてい
るそうだ。
 釣りは出来ても100円の寄付は出来ん、
ということなのだろか?
 私はよもやの展開にがっかりしてしまった。

 ~続く~