不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

護国神社の寄付金集めに回る。その③

 Iさんからの集金が終わったということは、全体の6割が
終わったに等しい。
 こうした町内会の集金の時にはいつもIさんだけつかま
らない。
 他のお宅が集まっているのにIさん宅分が足りずに納金
できずにいる、ということが多いのだ。
 私は一気に気楽になった。
 次はAクリニックである。
 今はクリニックは医師死去により閉院しており、併設されて
いるリハビリだけは継続して開業しているようだ。
 Aさんは、前回私が班長だった年には寄付金を出すことを
はっきりと拒絶した。
 型通りの説明をすると、奥さんは「強制ですか!」と強く言
い返してきた。
 へぇ、何と世間知らずなものの言い方だ、と呆れた。
 寄付金と言っても多額ではない。
 普通はワンコインである。
 5円のお宅もあれば、500円のお宅もある。
 いくらにするかは、それぞれのお宅の考え方で判断してい
ただくことになっている。
 寄付集めであり、また宗教がらみでもあり、「○○円出して
欲しい」とは言えない。
 そこを汲み取っての判断となる。
 もちろん拒否しても良い。
 だが、経済的に逼迫している家庭ではなく、輸入高級車の
他何台もクルマを保有している医師の奥様が言うことではな
いだろう。
 「5円、10円を出さないお医者さんの家」という評判は、早く
広まっていった。
 もともとまっすぐなモラルを期待できないような医師とその
奥さんということもあり、しかたがないことなのかもしれなか
った。
 その医師が亡くなり、今年はどうだろうか?
 また断るのだろうか?

 ~続く~