私はSUさんの敬老会での一件に続いて、町
内会費の集めに付いてお話しすることにした。
班長の仕事の中でも気を使うことのひとつが
町内会費費集めである。
一軒一軒の年間の割り当ては大金と言うほど
でもないが、安くも無い。
それにご近所さんからお金を集めるという作業
は、やはり気を使うものである。
私はジャングルドクターのAクリニックが年二回
に分割して払うということを話した。
ちなみに他のお宅では1年分を一括払いの方
ばかりである。
あんな大きなビルを持っているのに、年2回の
分割払いとは、医者の世界はよくわからない。
次に、県護国神社への寄付金集めに付いてお
話した。
実はですね、この寄付を断ったお宅が2軒あっ
たんですよ、と私は言った。
「え~、そうなの?!」Kさんは驚いた顔をした。
県護国神社への寄付は強制ではない。
だが、殆どお宅は寄付をされている。
寄付と言っても50円から100円である。
この寄付金額の相場もテキトーに自分達で決め
ているだけで、根拠は無い。
5円や十円でも良いのだろうが、それではちょっ
と少な過ぎるので、こちらで気を利かせて50円
~100円となっているだけだ。
その寄付を断ったのが、ジャングルドクターAクリ
ニックとTSさんの2軒である。
Aクリニックでは「強制ですか!?」とまで言われ
た。
「強制ですか!?」とは、まるで中学生のような言
い方である。
私はその旨を話した。
「へぇ~!」
わずかな寄付金を断るとは、なかなかの度胸の
持ち主である。
こういうことを記すと「信教の自由だ!」とかコメン
トしてくる方もおられるかと思うが、これはそんなた
いそうな問題ではない。
それにAクリニックもTSさんも政治的、思想的、宗
教的に信条があって断ったわけではないのは明ら
かである。
ただ、お金が惜しいだけなのだ。
班の中には、そんなお宅もある、ということを予め
知っておいた方が良いことは言うまでも無い。
~続く~