不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

古着屋でピンチに陥る。その①

 友人に会った帰り道、古着の店を見つけた。
 古着と大きく書かれたその店の広告板は前
にも見たことがあったのだが、店がどこにあ
るのかよくわからなかったのだ。
 その店は通りに面しておらず路地を少し入
ったところにあった。
 これではわからないわけだ。
  市内や隣の市にも古着の店はいくつかある。
 だが、それらの店は古着と言っても商品の
値段が高い。
 バーゲン価格と同じ位でしかないのだ。
 おそらく置かれている商品はそれなりのプ
レミアが付いたものばかりなのだろう。
 あるいは、元々が高額商品ばかりなのかも
しれない。
 古着=安い、という固定観念しか持ってい
ない私にはそうした高級古着の店はどうして
も受け付けられない。
 さて、ここはどうなのだろう?
 入り口のドアにこう書いてある。
「トップス300円、ボトムス200円、小
物200円」とある。
 トップス300円!
 トップスと言っても赤坂のケーキ屋さんで
はないだろうな。
 それにしてもこれは安い。
 安いとなると、私は急にギアが入ってしま
う。
 店内は、7割以上が婦人物で、2割が子供
服、残りの1割が紳士物のようだ。
 紳士物の割合が低いのは残念だが、この際
仕方が無い。
 私は、ズボンのコーナーへ行ってみる。
 否、ここの店ではボトムスと言うべきか。
 この店は、何とサイズ分けがされていない。
 低価格のためには、店側もそんな手間はか
けていられないのだろう。
 一本一本見ていくしかないようだ。
 いろいろあるなぁ。
 イブ・サンローランジーパンがある!
 サンローランのジーパンなんてはじめて見
た。
 私はサンローランのファンでもなんでもな
いが、これは話の種になる。
 ウェストサイズも合っている。
 早速試着してみる。
 しかし、丈が足りない。
 残念。
 私は気を取り直して他のズボンを探すこと
にした。
 今回は意外に私のウエストサイズに合うも
のが何本もあった。
 私はそれらを次々に試着していった。
 何しろ1本200円なので試着も気軽に出
来る。 
 それに、こうした古着の店は返品を嫌って
おり、お客に対して積極的な試着を勧めてい
るようだ。
 私は一度の来店でこんなに何本もの試着を
するのは初めてである。
 私は次から次に試着をしていった。
 だが、そんな私にピンチが訪れようとは、
私は気がつきもしなかった。

 ~続く~