不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

古着屋でピンチに陥る。その②

 私は何本も試着のズボンを持って試着室に
入った。
 普通私の場合、購入を決めてからサイズを
確認したりすそ直しをしてもらうために試着
をするが、今回はもっと気楽な試着である。
 しかも一本200円均一である。
 私はあまりの安さに舞い上がっていた。
 次々とはいてみる。
 次はリーバイスのブラックジーンズか。
 それに足を通す。
 あれ、すそがちょっと細いな。
 こういうジーパンを何というのか私は知ら
ないのだが、膝からすそに向かって細くなっ
ている。
 ちょっときついかも、と思ったがそれでも
無理やり足を入れた。
 何とか足が出た。
 こんなにすそが細いズボンは初めてだ。
 そのジーパンを上に上げてみる。
 おや?
 きつい。
 ウェストのサイズが全然合わないぞ。
 まぁ、仕方ない。
 脱ぐとするか。
 私はそのジーパンを脱ごうとしたのだが、
すそが細すぎて足が抜けない。
 脱げない!
 はく時は滑らすようにしていたので入った
のだが、脱ぐ時にはそうはいかないようだ。
 ジーパンが足首を締め付ける。
 これは困った。
 はいたジーパンが脱げないなんて。
 焦る。
 どうしよう?
 このまま脱げないままでいるわけにもいか
ない。
 店の人を呼ぶべきか?
 だが、確か店には20代前半と思しき女性
店員さんが二人いただけだ。
 さすがの私でも、こんな姿を女性に見られ
るのは避けたい。
 はけもせず、かといって脱げもせず、中途
半端極まりない格好である。
 脱ごうとしているからパンツ丸出しである。
 何だか自分がダチョウ倶楽部上島竜兵
なった気分である。
 上島氏はどんな格好をしようともタレント
として一流だから良いが、今の私はただのず
っこけ人間である。
 こんな様子はとても人様には見せられない。
 私は足首に引っ掛かったまま脱げないジー
パンを必死に引っ張った。
 だが、ジーパンは脱げない。
 あぁ、どうしよう?

 ~続く~