不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

土石流と山津波

 今回の岩手・宮城内陸地震では、いくつも
の山の斜面の大規模な崩落が起きた。
 あれほどの崩落は、そう滅多に起こること
ではない。地震計で検出されたものよりも大
きな揺れがあったのだと思う。
 山が崩れ落ちてこられたら、人間はひとた
まりも無い。
 
 私は崩落に沈んだ旅館の映像を見ていて、
津波に遭った遠い親戚のことを思い出した。
 山津波とは、山間部に起こるもので、土石
流によって木々や家が押し流されてしまうの
である。

 テレビのニュースでも報じられたその災害
は、凄惨なものだったそうだ。
 この山津波地震によって起きたものでは
ないのだが、家が土石流によって流されたと
いう点で今回の崩落の被害とかなり近い。
 私は、その時の被害の状況については、あ
まり詳しくは知らない。被害が酷すぎて周囲
の人間も当時の状況を当事者達に聞くに聞け
ないのである。

 夜、家に居ると、何か外で音がするなぁ、
と思ったら、次の瞬間、家の壁を突き破って
家の中に倒木や土石流が流れ込んできたのだ
そうだ。
 土石流は、そのまま家ごと飲み込んで流れ
ていった。
 家ごと持っていかれては、中に居る人間は
どうしようもない。しかも、それは予兆も無
く突然起こるのだった。避難のしようも無い。

 その山津波は家族の命を奪い、奇跡的に助
かった家族にも巨大なトラウマを残していっ
た。

 予期可能な災害であれば人間も何とか対処
も出来るが、突如としてやってくるものには
ただ受身でいるしかない。
 
 この惑星では、人間はどこまでも無力なよ
うである。