不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

「若草美容室」を見つける。

 いつものスーパーの帰り道、自転車で走ってい
ると美容室が目に入った。
「若草美容室」
 お~、何とも私好みのベタなと言うか、コテコ
テ感あふれるネーミングである。
 時々は通る道なのに、こんな名前の美容室があ
るとは気がつかなかった。私が如何に不注意にし
ているかが分かる。
 店の様子を見ると、開店してからもう既に30年
くらいは経っていそうである。
「若草美容室」か。
 どうして「若草」なのだろうか?
若草物語」に影響を受けているのであろうか?
 それにしても「若草」である。
 私たちの日常生活の中で「若草」という単語自
体を使用する頻度と言うのは今では少ないと思う。
 だが、それだけに「若草」という言葉のインパ
クトは大きい。
 近頃の美容室の名前は、カタカナを使ったもの
が多い。
 それが、おしゃれで現代的と言うことなのだろ
うが、カタカナばかりで、その店のイメージが湧
き難かったりするりする。
 そんな現代に「若草美容室」である。
 店名はすべて漢字のみである。
 この和風を貫い佇まいが良いではないか。
 きっと、この美容室のオーナー、この世界では
「先生」と呼ばれることが多いその人は、腕に自
信のあるベテラン美容師さんなのではなかろうか?
 現代の風潮におもねることなく、自身のスタイ
ルを守り通すと言うことは素晴らしいことだと思
う。

「若草美容室」
 何か未来への希望を予感させる名前ではないか。
 
 私は自転車で、ここ数日ぐっと暖かくなった日
差しと、まだ冷たさの残る向かい風を受けながら
家路をゆっくりとたどって行った。