洗濯物を干していたら黒雲が迫ってきた。

　今日は土曜日なのでオランダ式洗濯の日であ
る。
　天気予報によると、午前中に「ところにより
にわか雨」らしい。
「ところによると」かぁ。
　外に出て天気を見てみる。
　この様子なら晴れるな。当地は「ところによる
と」、の「ところ」ではないだろう、と私は決め
付けた。
　朝6時50分には洗濯が終了。早速干す。
　私は普段は何かともたもたしているのに、こう
いうことには割と手早い。
　私としては、今日は晴れる、という予定なのだ
が、実際には天気の行方が気になっている。
　見ると、徐々に空が暗くなっていく。
　ひょっとして、当地が「ところによると」なの
だろうか？
　いやいや今日は晴れる筈だ。
　だが、空は暗くなる一方だ。
　どうしようか。取り込んだほうが良いのだろう
か。しかし、まだ降ってきたわけではない。
　それに、一時的に暗くなっただけで降ると決ま
ったわけではない。
　干してから一時間後の8時。
　いよいよ真っ暗になった。
　朝の8時とは思えないほど暗い。照明がないと
新聞も読めないほどだ。
　う～ん、これはいよいよ降りだすのか。
　外に出てみる。
　真っ黒な雲が空を覆っている。
　これは降る！
　私は急いで洗濯物を取り込んだ。
　それから3分後。
　本当に降ってきた。
　あ～良かった。
　直前に取り込むとは、ラッキーだった。
　こんなことでも、私は嬉しくなってくる。
　自分は何と幸運なんだろう。
　これで私は1日上機嫌である。

「ところによると」の「ところ」は当地だった。
　それにしても、最近の天気予報は良く当たる。
　当たると思っているのだから、素直に信用す
ればよいのだが、自分の都合にあわせて解釈し
てしまうという習慣はなかなか改まらないよう
だ。