不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

デスモアを食べるネズミ

 朝の掃除の時間に、窓際の廊下で私は何かを踏みつけ
た。
 硬いものである。何だろう?
 ピンク色の何かの欠片である。
 これは、デスモアではないか。どうしてこんな所に落
ちているのだ?
 デスモアを仕掛けているのは、隣の部屋の台所である。
ということは、ここまでネズミは運んできたということ
か!
 こっちの部屋の方が、ゆっくり寛いで食べられるわい、
と判断したのであろうか?こんな場所で食事をするとは、
はしたない。やはりネズミには礼儀作法も無いのか。

 少々驚きはしたが、ネズミがデスモアを確実に食べて
いるのである。悪いがネズミ君。君の寿命もあと僅かで
ある。
 
 デスモアは、意外と言っては失礼だが、良く効くのだ。
 これを設置しておいて、減っていればネズミはしばら
くして、いなくなる。屋外に出て、そこでお陀仏してい
るらしい。
 そうとも知らず食べているネズミ。
 これが屋外に生息する希少動物であれば、大騒ぎにな
るのだが、人間が蓄えておいた食材などを齧るとあれば、
妙な情けは無用である。
 ここで、人は無常な殺害マシーンに変貌するのである。
 
 一定の限度を超えて人間生活に干渉してくると、その
生き物は害虫や害獣、もしくは雑草と呼ばれ、駆除され
る運命を生きなければならない。
 この世は非情だ。
 あらゆる生命と自他共栄する、というのは現実には不
可能な理想なのである。