「世界の快適音楽セレクション」その１

　私は、テレビよりもラジオ、それもFMが好きである。
　FMもNHK-FMが中心である。
　その中でも、土曜日朝９時からの「世界の快適音楽セレクショ
ン」]を放送開始以来、ほぼ欠かさず毎週聴いている。
　この番組のパーソナリティーはゴンチチというアコースティック・
ギターのコンビである。このゴンチチは、北米において最もCDが売
れている日本人ミュージシャンだそうだ。
　番組はそんな実績を感じさせない、おふたりのゆったりととぼけ
たトークをはさんで、いろいろな音楽がかかる。
　今日の放送でも、島倉千代子とローリング・スローンズがかかっ
た。同一番組の枠内で、同じ日にこの二組がかかると言うことは、
それだけでも愉快である。
　クラシック、ジャズ、ロック、ポップス、民俗音楽から歌謡曲、
超大物ミュージシャンからインディーズの人まで、オールジャン
ルと言ってよい。ただ、ハード・ロック・へヴィ・メタルだけは
今まで一度もかかったことがない。
ロニー・ジェイムス・ディオでもかかったら、面白いのに。

　この番組は、ゴンチチのお二人のほかに３人が選曲に携わって
おり、週によって微妙に感じが違う。
　だが、湯浅学氏が時折、刺々しい歌謡曲をかけるのは勘弁して
欲しい。違和感ありすぎである。

NHKに対しては、腹が立つことも沢山あるが、FM、特にこの「世

界の快適音楽セレクション」を聴いていると、そんな気分も忘れて
しまう。
　
　ゴンチチのこの番組を聞くと、ほっと一服したような気分にな
る。
　昨年、両親が急死した時にも、この番組だけは聴いていた。
　ラジオを聴くことによって、いつもの日常の気分を取り戻そう
としていたのかもしれない。