不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

耕運機が行く

 今日、久しぶりに通りを耕運機が木製の荷台を後ろに付けた状態で
通りを行くのを、見た。
 これは、何と呼べば良いのだろう?リアカーではないし・・・。
 私が、子供の頃は、毎日、何台もこの耕運機が、道をゆっくりと行
くのを、見ることが出来たものだ。
 それは、ちょっと威張った感じで、道の一車線を占領し、人が歩く
ほどの速さで移動していく。悠然たる運びと意外に小さいエンジン音。
 これも、一種のガブリオレと言うのであろうか?春なのに、いまだ
冬並みの強風が、運転者に吹き付けている。
 運転しているのは、いつの時代も初老のおじさんか、おじいさんで、
若い人が、この耕運機を操っているのを見たことがない。
 耕運機の運転には、それなりのキャリアが必要なのであろう。
 そして、その運転者は、どの人も機嫌がよさそうにニコニコしてい
る。農業は、やはり、精神衛生上、良いのであろうか。カリカリ、イ
ライラした農家の人って、少なくとも、私の周囲にはいない。

 私は、この情景が、なんとも好きなのだ。
 このおじさんは、帰って何をするのだろう?
 とりあえず、相撲をテレビ観戦するのだろうか?

 住宅街脇の県道を、耕運機がゆっくりと行く。
 見栄にまみれたベンツのCクラスが、耕運機を追い抜いていく。
 そして、この耕運機のおじさんが、実は、かなりの大地主だったり
するから、世の中面白いのである。