私が将来起こる惨劇について記しているのは、読者を怖がらせる意図は一切ない。
予め惨劇の発生を知っておくことにより、その事態に直面した際の衝撃を和らげるためである。
覚悟することにより心の用意が生まれる。
知らずに接するのと、前もって知っているのとではショックのお大きさは異なる。
これは不治の病を抱えた家人の死において、家族が意外なほど平静さを保っていられることに例えられる。
最近の有名人で言えば俳優の渡辺徹さんの逝去とそれを伝える榊原郁恵さんやご家族が落ち着いた対応をされていたことを思い出すことができるだろう。
渡辺さんは30年以上の闘病生活があり、瀕死状態になったことも何度もあったようだ。
それらの経験により覚悟ができていたので、逝去に接しても取り乱すことなかったのであろう。