燃料素材は庭の雑草である。
春になり雑草が生え始めて以降、抜いてきた雑草を放
置し枯れ草となったものである。
例年はそのまま放っておいて土に戻るのを待っていた
のだが、今年は燃やしてみることにしたのだ。
抜いた雑草は一箇所にまとめてあるわけではなく、た
だ雑然と何箇所かにまとめているだけである。
それらを一気に無くしてみようという気になったのだ。
昨今、焚き火はよく思われていない。
まして民家の庭である。
私は隣家に断りを入れること無く焚き火に取り掛かった。
そういうことを細々という言う人達ではないということも
ある。
燃やす素材もただの枯れ草で発生する煙に特に毒性は
ない。
この日は、当地としては珍しく風があまり吹いていない日
だった。
完全な無風が理想ではあるが、そういう日を待っていた
ら何時になっても実行できない。
夕方、私は枯れ草を小さくまとめた塊を5~6個作った。
あまり大きな塊にすると火が大きくなってしまう。
幾分小さめで十分である。
私はライターで火をつけた。
あれ?
燃えないな。
少し燃えるがすぐに消えてしまう。
乾き方が足りなかったのか、あるいは数日前の雨の湿
気が残っていたのか。
~続く~