私は要領がわからず、寺の男性職員に手渡した。
その時はお供え物に付けるらしい紙に名前と住所を記し
た。
今考えると、あれは正式な手順を踏んでいたのか少し疑
念もあるが、お供えとして受け取ってもらえたことは確かで
あろう。
今回は本来の方法で寄付を行いたい。
だが、どうすれば良いのだろう?
境内にいる職員に聞けば、すぐに教えてもらえるだろう。
ここの職員は親切という評判である。
私は以前違う要件で話をしたことがあるが、物腰は柔ら
かで説明も丁寧だった。
私は御札・お守り授与所で尋ねてみることにした。
「ここから20メートル先に見えるあのスロープを通って真
っすぐ行くとその横に和尚が座っていますので、そこでお願
いします」
へぇ~、この寺院では僧職を和尚と呼んでいるのか。
この寺院は規模が大きく大勢の僧職の他に職員が多数
務めている。
僧職は3~40人は在籍していると思われる。
随分前にそれくらいはいるよ、と聞かされたことがある。
ひょっとしたらもっといるかも知れない。
私は示された場所に着いた。
そこは受付だった。
~続く~