不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

金券を寄付しに行った。その⑥

 私は用紙に名前その他を記入し坊さんに渡した。
 「では、これを」
 坊さんは何かを私に差し出した。
 のし紙がつけられている。
 ”寿”表書きが入っている。
 風呂敷だ。
 ただの粗品レベルではない。
 明らかに高級品だ。
 これ頂けるのか?
 坊さんは笑顔で頷いた。
 へぇ~、こんな良いものを頂けるのか。
 あぁ、そういうことか。
 この寺院では昔から寄付をした人には、こうしたお返し
の品をもらえたようだ。
 我が家にもこの寺院の紋章入りの品がいくつかあった
し今もある。
 木のしゃもじ、手ぬぐい、夫婦箸等々である。
 それらはその時々の何らかの寄付のお返しだったのか。
 気が付かなかった。
 今回、私は何かが欲しくて寄付したわけではない。
 単純に寄付したくて寄付しただけである。
 寄付そのものが目的だった。
 だが、こういうお返しの品を頂くとちょっと嬉しい。
 気分は良い。
 (また寄付をしようか)という気になる。
 うまいなぁ。
 これも経営戦略なのだろうか?
 寄付行為が気分を良くし、返礼品で更に良い気分になる。
 これでは、寺院サイドの思う壺である(笑)
 さすが日本でもトップクラスの参拝客が集う寺院である。
 でも、こういうやりとりは嫌いではないなぁ。
 私は、その後も楽しい気持ちで参拝し、寺院を後にした。