不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

特定健診に行った。⑨

 椅子に座り、番号を呼ばれるまで待つらしい。
 この市民館は少し太い通路があるだけでロビーが無い。
 この通路がロビー代わりのようだ。
 外から見た時からこの市民館は小さいことはわかって
はいた。
 だが、中に入るとその小ささはこのあたりででは異例で
あろう。
 私は座って順番を待つ。
 道路に並んで待つより、ずっと良い。
 すでに10時になっている。
 並び始めてから35分も経っている。
 健診を終えた年配の女性が、番号整理の職員に何か尋
ねている。
 「食事は、どのくらい食べたら良いのでしょう」
 女性は品が良い明るい感じの話し方である。
 職員が少し混ぜ返すような返答をした。
 「まぁ、それはそれぞれ人によって『これくらいで良いかな
ぁ』というところでしょうね」
 この問答を聞いてたこの場の人達もちょっと笑っていた。
 女性はそれを聞いてこう言った。
 「私は胃の手術をしたものですから・・・」
 その言葉に皆が真顔になった。
 適当な応対をした職員も、表情が曇った。
 女性はそれ以上尋ねることなく、市民館を出ていった。
 
 ~続く~