オジサンが何か話している。
プロの話し手ではないな。
藤圭子の生い立ちを紹介している。
あぁ、NHK-FMの夏の特番か。
この夜は藤圭子か。
オジサンは、話し方は素人並みである。
エピソードに思い入れをたっぷり付け加えて話してい
る。
同じことを繰り返し、話が先に進まないいわゆる「足
踏みトーク」である。
まぁ、素人だから仕方ないか。
藤圭子の曲がかかる。
私は藤圭子は苦手である。
嫌いではないが、できることなら聞きたくはない。
自分の人生を歌に込めて歌うスタイルの歌手は、ど
うにも受け付けないのだ。
ビリー・ホリデーもそうだ。
自分の人生はよそで語って欲しい。
歌の時間に人生を語ってくれるな、である。
私は番組を10分ほど聞いてラジオをと切った。
翌朝調べると、あのオジサンは五木寛之だった。
あの声は中高年男性に大人気のい五木寛之だった
のか。
私はこの人も苦手である。
やはり受け付けない人や作品というものはあるよう
だ。