不二家憩希のブログ

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有名寺社への初詣とは。

 初詣についてネットで調べてみた。
 日本において有名寺社への初詣が多くなったのは、近
年のことでは歴史はない。
 鉄道会社がそれら自社の近くまで路線を敷き、切符を
売るようにキャンペーンを始めて以来のことだそうだ。
 参宮線といった名称の路線はいずれも新しい部類に入
るそうだ。
 早いところでも明治大正以降のことである。
 決して江戸時代以前からといった慣習ではない。
 「鉄道に乗って〇〇様へ初詣」は正月の粋なふるまい
である、と鉄道各社によって宣伝されたのだ。
 こうしたイメージ戦略が実を結び、有名寺社への初詣は
人気の過ごし方となった。
 日本人は宣伝に乗りやすい。
 ただでさえ「右に倣え」の国民性の上に宣伝が力をふる
えば、国民的な習慣は簡単に根付いてしまう。
 戦後、自家用車が普及してからも有名寺社への初詣は
トレンドの座を譲ることなく、今日に続いている。
 では鉄道が日本に入ってくる以前はどうだったのか?
 人々は最寄りの神社、つまり氏神様へお参りしていた。
 そりゃそうだろう。
 正月休みと言うまとまった休みがあるとはいえ、一年で
最も寒い時期に遠出はし難い。
 徒歩圏内の神社への参拝が普通だったのだ。
 一説によると、そうした初詣自体も全員がするものでは
なく、家長が代表して行っていたとするものもある。
 他の家族は家で静かにしているというのが正月の過ご
し方だったようだ。
 有名寺社への初詣には伝統などない、ということである。
 宣伝に乗せられやすい人々が作り出した新しい習慣に
過ぎない。
 まぁ、それもある意味では日本人らしいともいえる。
 歴史も由緒も無いのに「伝統だ」と勘違いして賞賛し行動する。
 それをあえて指摘することは無粋なのかもしれない。