不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

「サセックスの吸血鬼」

 無料動画サイトGyao!で「シャーロック・ホームズの冒険
を観た。
 今回は「サセックスの吸血鬼」で通常の放送時間の約2
倍の90分の特別編である。
 英国のテレビ局の映画番組枠での放送を考慮してか、オ
ープニングもいつもとは異なり、劇場映画風である。
 登場人物も多く、ロケーションも大がかりで手が込んでい
る。
 当ブログでの慣例に従い、ネタバレにならないように記し
ていく。
 ロンドン・ベーカー街のホームズの元へサセックス州ラン
バリー村から神父がやって来た。
 牧師は神妙に話し始めた。
 村に作家の男が引っ越してきて以来、村では不吉なこと
が立て続けに起こっている。
 いずれも作家の男と接点があることばかりだ。
 作家の男の先祖はその村のかつての大地主で、残酷な
仕打ちを数多く行い、それにより村人の反感を買い屋敷も
ろとも焼き討ちされてしまった。
 その子孫が村に返ってきたのだ。
 村人たちは作家の男は吸血鬼だと信じるようになってい
た。
 恐怖と憎悪に震えるが、作家の男に白い目を向けるだけ
で特に何もできずにいた。
 鬱屈とした憎悪と増大する恐怖が村中に渦巻く。
 神父は、ホームズにこの状況を何とかしてほしいと頼む
のだった。
 そうは言われても、ホームズは探偵でワトソンは医師であ
る。
 依頼を拒否するかと思われたが、ホームズは受諾し、ラン
バリー村へ向かう。
 
 これ以降物語は進んでいく。
 この作品は、シリーズ中最も恐ろしい作品と言えるだろう。
 登場人物で正気なのは、ホームズとワトソンのたった2人
だけなのだ。
 他は皆、迷信や狂信に取りつかれている者ばかりである。
 村の警官は冷静かと思われたが後に大変な違法行為を
平気で行ってしまう。
 依頼人の牧師は、まともそうに見えるが、吸血鬼の存在
を信じてしまっている。
 何よりホームズへの報酬を支払った様子が無い。
 迷信や狂信は常識を簡単に破壊する。
 よく考えるとぞっとする作品となっている。
 私のとっては、ホラー映画よりもずっと怖い。

 9月18日まで配信中です。