夜、サイレンの音で目が覚めた。
サイレン音は我が家の方向へ近づいてくる。
火事か?
何時だ?
10時20分だ。
他のサイレン音も加わる。
サイレン音は増えていく。
これはおおごとだ。
「ただ今、○○町で火災が発生しています!」
消防車のスピーカーからアナウンスが流れる。
○○町って、うちの町内ではないか。
どこだ?
サイレンの音からすると、かなり近いな。
「お母さん!」
お隣のNさん宅の玄関で旦那さんが奥さんを呼んでいる。
足音が動き出す。
えぇ~、野次馬か?
見に行こうとしているのか?
それとも見に行ったのか?
あぁぁ、軽蔑してしまうな。
私は火事の野次馬を心から軽蔑している。
一回でもやったことがある人に対しては、私の内心におい
て無条件にワンランクから2ランクのダウン判定がなされる。
そして、その判定は終生変わることが無い。
野次馬であろうクルマや自転車や人の声が、集まってくる。
あぁ、嘆かわしい。
数分後、プラスチックやビニールが燃えるにおいがし始めた。
えぇ~、これは近いのか?
逃げるべきか?
様子を見に外へ出るべきか?
まぁ、いいや。
本当に近かったら、もっと大騒ぎになるだろう。
そうなってからでも遅くはない。
私は寝たまま、そう考えていた。
それから数分後、サイレン音はおさまった。
私は、そのまま眠ってしまった。
夜が明けて、ネットで調べてみる。
火災現場は我が家から120メートほどの場所だった。
かなり大きな火災だったらしい。
近くには、知り合いも何軒もある。
大変だったんだなぁ。
それらのお宅は被害はない模様である、
落ち着いたら、火事見舞いに行くべきなのだろうか?
ただ今、考え中である。