午前9時半、私は「瞬間草取り」をしていた。
瞬間草取りとは、パッと始めてすぐに止める草取
りのことである。
ずっと続けてやれば良いのだろうが、それもなか
なかできない。
また止める理由が見つかればすぐ止めてしまうと
いう私の姿勢にも問題がある。
ここ数日気温も上昇して雑草も伸び放題である。
今回のターゲットは長く伸びたイネ科に属するであろ
う雑草である。
手を伸ばして一本を抜く。
すると、そこから何かが飛び立った。
何だ?
トンボだ。
雑草に留まっていたらしい。
大型のトンボである。
ひょっとしてオニヤンマか?
否、はっきりとはわからない。
へぇ~、珍しいな。
ここ数年、このあたりではトンボを見かけることは
少なくなっている。
わが家の庭は意図せぬ生育を果たした雑草たち
により、緑が豊富である。
その緑にひかれて昆虫もいろいろ集まってくるよ
うだ。
トンボは一旦お隣の庭の方向に飛びかけたが、
Uターンして戻ってきた。
やはり緑が落ち着くのか。
トンボは他の雑草の留まった。
羽を休めているのか。
休憩の邪魔をしても悪いので、雑草取りはこの
時点で中止した。
トンボ君、いつでもわが家で休んでいきたまえ。
今回もやはり瞬間草取りとなった。