不二家憩希のブログ

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オール巨人「漫才も闘病も全力投球!」その③

 岡八郎師匠に桁外れの細心さと行動力をもって尽
くしたオール巨人氏に、晴れてデビューの時がきた。
(以下敬称略)
 相方は5歳年下のオール阪神である。
 巨人と阪神は素人時代から漫才コンビを組んでいた。
 将来のプロデビューを期し、先に巨人が吉本興業
入り阪神の高校卒業を待っていたのだ。
 オール阪神巨人は、デビューするとすぐに売れっ子、
スターになった。
 日本のお笑い芸能史上でも異例のことであった。
 巨人と吉本入り同期の島田紳助によれば「プロ野球
にたとえれば、阪神巨人はドラフト1位、自分や(同じく
同期の明石家)さんまはテスト生みたいなものだった」
そうだ。
 二人は生来の才能だけで、売れっ子となったのでは
ない。
 毎日3時間、漫才の稽古を課していた。
 それも売れてスター芸人となってからもである。
 毎日、毎日3時間である。
 ネタ自体を覚えてしまったら、あとは実演を重ねていく
なかで練り上げる、ということではない。
 徹底した稽古を積んでから披露する。
 漫才のネタは、一本10分ほどの長さである。
 稽古の重要性を十分認識していても、毎日3時間は長
いと感じても不思議ではない。
 そして、とうとう阪神が切れてしまった。
 「もう稽古は嫌だ」
 「駄目だ、やる」
 巨人は極めて真面目な人である。
 きっちり準備をして、完成された芸をお客さんの前に出
す。
 巨人にとっては、ごく当たり前のことなのだろう。
 しかし、稽古をする、しないで喧嘩になる。
 阪神の気持ちもわからないこともない。
 まるで売れていないコンビならともかく、阪神巨人はす
でに人気芸人、若手ナンバーワンなのだ。
 こうしたことも要因となったのか、コンビ仲はデビュー以
来悪かったそうだ。
 特にデビュー以来12~3年頃までは最悪だった。
 私は彼らの当時をテレビで見て知っているが、そんなこ
とはまるでわからなかった。
 そんな素振りは微塵もなかった。
 さすが、プロである。
 
 ~続く~