フラメンコ・ギターの鬼才・パコ・デ・ルシア氏がお
亡くなりになった。
滞在中のメキシコで心臓発作による客死である。
66歳だった。
パコ・デ・ルシアは、フラメンコ・ギターにおける巨
人である。
ジャズで言うとチャーリー・パーカーのようなポジ
ションである。
パコ出現以前と以後では、フラメンコ・ギターそのも
のが変わってしまった、と言われている。
パコ以前のフラメンコ・ギターは、あくまでもフラメン
コ・ダンスの伴奏だった。
ダンサーと歌い手とギタリストの3者が常にワンセッ
トだった。
関係である。
パコは、そこからギターだけを独立させた。
鑑賞音楽としてのフラメンコ・ギターを確立させたの
である。
これは、フラメンコ・ギターとしては大きな革命だった。
パコはフラメンコ・ギター奏法にジャズやクラシックの
要素を取り入れた。
そして、パコが編み出した奏法が、フラメンコ・ギター
の主流・本流となっていった。
パコはフラメンコの故郷・アンダルシアの人間国宝の
ような存在だった。
アンダルシアは悲しみ包まれていることだろう。
ヤン・アッカーマンとの共演。
アッカーマンが必死でついていこうとしている。
パコは貫祿の名演である。