不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

007・女王と伴にスカイダイビング。

 再びロンドン・オリンピックの開会式の話題である。
(何だ、今頃)
(古いなぁ~) 
 そう思われるかもしれないが、ご容赦頂きたい。
 ロンドン・オリンピックの開会式に007・ジェーム
ス・ボンドが出るだろうな、ということは私は大体予
想していた。
 ボンドは英国生まれの世界的に知られる存在で
ある。
 それにボンドは何よりアクションで見せる人であ
る。
 つまり、言葉がなくともメッセージを伝えられると
いうことである。
 この能力が持つ意味は、オリンピックのような場
では極めて大きい。
 世界中で多くの異なる言語を使う人たちにとって、
言葉の意味がわからなければ通じない、ではパフ
ォーマンスが伝わらない。
 ジェームス・ボンドはそうした問題点を簡単にクリ
ア可能だ。
 その存在感とアクションで魅了出来るからだ。
 そしてモニターにはバッキンガム宮殿が映る。
 エリザベス女王の公邸である。
 そこへ一台の黒塗りの英国車が横づけされた。
 宮殿には見学の小学生らが招かれ賑わっている。
 クルマからダークスーツの人物が降り宮殿に入っ
た。
 足早に階段を駆け上がるその人物は、ジェームス・
ボンドである。
 ジェームス・ボンド、バッキンガム宮殿に現る、で
ある。
 これがなかなか絵になっている。
 伊達男がゴージャスな宮殿を歩くのだから余計に
映える。
 ボンドは侍従に先導され女王の執務室に入る。
 デスクに向かっていた女王は、ペンを置くと立ち上
がった。
 ボンドとエリザベス女王のツーショットである。
 フィクションと現実が交錯する。
 片やフィクションの存在、片や実在する人物。
 そして、双方とも世界で最もよく知られた英国人で
ある。
 足元にはちょっと太ったコーギー犬が2頭が走って
いる。
 この2頭は、実際に女王の愛犬だそうだ。
 女王はボンドと伴にヘリコプターに乗り込み宮殿を
後にする。
 ヘリコプターはロンドン上空に舞い上がる。
 ボディ下部には英国国旗が描かれている。
 多くのロンドン市民がヘリコプターを見上げ歓声を
上げる。
 国会議事堂前広場のチャーチル首相の銅像まで
見上げて手を振っている。
 そんなのありか!
 ちょっと怖いぞ。
 ヘリコプターは、開会式会場であるオリンピック・
スタジアムを目指す。
 途中、何故か橋桁の下を飛んだりもする。
 ヘリコプターはオリンピック・スタジアム上空に到
着した。
 鳴り響く”007・ジェームズ・ボンドのテーマ”。
 そして、ボンドと女王は、ヘリコプターからパラシ
ュート落下した!
 これぞ、007である。
 観衆が息をのむ中、女王はエジンバラ公とともに
貴賓席に姿を現した。
 なんとも洒落ているではないか。
 音楽の使い方も実にうまい。
 ボンドのテーマも変に凝ってアレンジされたもの
ではなく、お馴染みのものが使用された。
 この開会式の演出は、アカデミー賞受賞の映画
監督・ダニー・ボイルである。
 映像の撮り方、構成の仕方など流石の腕前である。
 お約束の内容を鮮烈に見せる、これぞ優れた演
出の手腕である。
 盛り上げるためには、女王まで担ぎだす。
 また、それを承諾する女王も粋である。
 英国人、おそるべしである。
「あの時、エリザベス女王がボンドと一緒にダイビン
グしたよねぇ」と皆の記憶に残ることだろう。