我が家の掃除機が壊れた要因のひとつは、あま
りの低価格品だったためではないかと私は考え
ている。
メーカーは○芝である。
だが、この掃除機は東○のカタログには載ってい
ない。
家電量販店の客引きの目玉商品として作られた
製品で、正式なラインナップに入れられないもの
と思われる。
とにかく激安なのだ。
「こんなに安いのだったら買うしかない!」
そう思うと、私の理性はどこかへ飛んで行ってし
まう。
即、購入である。
これは私の悪い習性である。
「やった、良い買い物が出来た♪」
その時は、そう思ったのだが、それも長くは続か
なかった。
家で早速組み立ててみた。
「 あれ?何だこれ?」
その掃除機は、パイプのつなぎ目が2世代ほど
前の形だった。
つなぎ目の片方が少し細くなっていて、もう一方
に差し込むのだ。
これでは、昭和の掃除機ではないか。
今頃の掃除機には、こんな接続の仕方をする製
品は無いと思う。
カチッ!とはめ込むジョイント形式になっている筈だ。
それでも使えれば良いか、と思って使ったのだが、
掃除の最中につなぎ目がずれてきて抜けてしまう
っことが度々起こる。
仕方ないので、その度につなぎ合わせる。
その度に「あぁ、これは安物なんだなぁ」と思い知
らされた。
加えてパイプだけではなく全体の部品が安っぽく
見える。
その殆どがプラスチックなのだが、何だか安いプラ
スチックを使っているなぁ、という感じがする。
電化製品というよりもプラモデルのようなのだ。
それでも、吸い込む能力は前任の○立のよりも強
い。
ゴミタンクやフィルターもしっかり作ってある。
タンクとフィルター部分の部品だけは通常品と同じ
グレードの材質のプラスチックを使っているようだ。
肝心な機能の質は落とせないので、それ以外は
思い切り落とす、ということなのかもしれない。
全体は見るからに脆弱なのだ。
その安っぽさに買う時点で気がつけば良かったの
だが、それが出来なかった。
目先の安さに理性がどこかに飛んで行ってしまう。
プライスカードの数字が小さくなればなるほど、私
は平静ではいられなくなるのだ。
私は、この掃除機を使い始めた頃から、「この掃除
機は長くはもたないだろうな」と思っていた。
そしてそれは、その通りになった。
自業自得が予感を成就させたのである。
~続く~