不二家憩希のブログ

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エンジニア・ロジャー・ニコルス氏、ご逝去。その➁

 ロジャー・ニコルスは1944年9月22日カリフォル
ニア州オークランドで生まれた。
 早くからオーディオに強い興味を持っていたニコ
ルスは、高校生の時クラスメートのフランク・ザッパ
と自宅録音を楽しんでいた。
 フランク・ザッパとクラスメートとは、世間は狭い
というものなのか、それとも、これも偶然だったのか。
 その後ニコルスは大学で原子力を学び原子力
技術者として働くようになった。
 だが、そちらは途中で断念した。
 彼のハイファイオーディオに対する強い興味が、
彼をプロのレコーディング・エンジニアの道へと
導いたのだった。
 ニコルスは仲間とレコーディング・スタジオを
設立した。
 レコーディングスタジオと言ってもガレージス
タジオで車庫を改造したものである。
 アマチュアとプロの中間の様な位置である。
 そこでは、まだデビュー前のカレン・カーペン
録音をした。
 安くデモテープを録ってくれるスタジオとして
知られていたのだと思われる。
 それにしてもニコルスという人は、後に大成す
る何人もの人と無名時代に関わりを持っていた。
 しかも、いずれも極めつけの人ばかりである。
 フランク・ザッパはロック界の鬼才、と呼ばれた
人、カレン・カーペンターはご存じカーペンターズ
の不世出のヴォーカリストである。
 ケニー・ロジャースは米国の国民的スター歌手
であるし、ラリー・カールとンはフュージョン・ジャ
ズ界の大御所である。
 そして、後にスティーリー・ダンを結成するウォル
ター・ベッカーとドナルド・フェイゲンの二人である。
 そのいずれもが、自らをアピールしてコネクショ
ンをつなげたというものではない。
 日本風に言えば、「縁を持っている」ということな
のか。
 そういう人って、いるんだなぁ、と思わされる。
 それが、ロジャー・ニコルスという人である。
 
 ~続く~