私が照明器具を見ていると、横にあるエア
コンコーナーで男性のお客と店員さんが話し
ている声が聞こえてきた。
今はまさにエアコンの売り時である。
だが、私の耳に入ってくるのは商談ではな
さそうだ。
私は聞き耳を立てる。
どうやらお客が店員さんに家電論議を吹っ
かけているようだ。
このメーカーのこの機能がどうだとか、メー
カーはここをこうすべきだとか店員さんにまくし
立てている。
聞いている店員さんは、何をどういってよい
のか、困った様子だ。
お客に言い返して面倒なことになってもつ
まらない。
店員さんは時折言葉を返すが、殆ど聞き役
である。
店側としては、買って欲しいのであって議論
がしたいわけではない。
いろいろ言っているお客は今流行の家電マ
ニアという種族なのだろうか。
テレビなどで家電芸人、家電俳優などといっ
てタレント活動をしているのを見ていて、自分
もかぶれてしまったのだろうか。
こういうお客は本当に扱いづらいものだ。
自分の知識に自惚れつつ、抵抗の出来ない
対象に向かって噛み付いていく。
私は対応している店員さんが気の毒になった。
~続く~