不二家憩希のブログ

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アート・テイタムに高く評価されていたハンク・ジョーンズ。

 ハンク・ジョーンズは、晩年になってようや
くジャズ界の巨匠とみなされるようになった。
(以下敬称略)
 だが、ハンク・ジョーンズはプロのミュージ
シャンの中では若い頃から高く評価されていた。
 ジャズピアノの神様アート・テイタムがある
時、こんなことを尋ねられた。
「後輩のジャズピアニストの中で期待出来る
後輩は誰ですか?」
 この問いに対しテイタムはこう答えた。
「ナット・コールとハンク・ジョーンズだね」
 ナット・コールとは、後のナット・キング・コー
ルのことである。
 コールは、元々は極めて優れたピアニストだ
った。
 テイタム在世中は、コールは専業ピアニスト
だった。
 彼の技量はオスカー・ピータソン並みと言っ
ても良いと思う。
 だが、後に歌に専念するためにピアノは止め
ている。
 そして、もう一人挙げられたのはハンク・ジョ
ーンズである。
 オスカー・ピーターソンではなく、ハンク・ジョ
ーンズだった。
 ハンク・ジョーンズは、それほどに高く評価さ
れていたのだ。
 ピアノの神様からお墨付きを頂いたのだから、
その後のハンク・ジョーンズの音楽人生は順風
満帆だったかと言うとそうでもなかった。
 ジャズファンの中では長いこと目立たないピア
ニストのままだった。
 大物が目にかけてくれたから、と言ってすぐに
道が開けるようなものではない。
 ジャズ界でスターになると言うことは実に難し
いことのようだ。