不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

班長の仕事で一番大変なことは?その②

 訃報の伝達が手間だと言っても、その昔と
思うと随分楽になっている。
 かつては、区長が班長宅へ赴き、班長に口
頭でお通夜などの日時などを伝えた。
 班長は、その内容をメモする。
 そして今度は班長が班内の各世帯を一軒一
軒を回り訃報を知らせた。
 この時も伝達の手段は口頭のみであった。
 何故、口頭による伝達のみだったのかと言
うと、おそらく現代のように紙が豊富ではな
かったと言う社会事情によるものだったの思
われる。
 その後、時代が下ると、班長にも訃報の内
容が記されたメモが渡されるようになった。
 このメモも、当時は手書きである。
 町内会には十数個の班があるので、手書き
するのも大変だったと思う。
 そして班長はそのメモを元に訃報を伝えて
回った。
 この訃報伝達の形式は長らく続き、一種の
様式として確立したのである。
 状況に変化が出始めたのは1990年代初頭か
らである。
 この頃から一般家庭にもワープロ専用機が
普及し始めたのである。
 これにより、紙媒体による伝達や様式に大
きな変化が訪れた。
 ワープロ専用機の出現により、特別な設備・
装置が無くともプリント類の作成、複製が可
能になったのだ。
 この頃から徐々に訃報と式の日時などが記
された紙が、各世帯数分だけ印刷されること
が一般的になっていった。
 訃報の紙が世帯数分だけあれば、班長はそ
れを配っていけばよい。
 伝達の確実性は増し、伝達の途中での誤伝
達の可能性も無くなっていった。
 その後、パソコンやプリンターの一層の普
及により、この形式は定着し、今日に至って
いる。
 
 それなら楽でよいではないか、と言われそ
うだが、そうでも無いのである。

 ~続く~