不二家憩希のブログ

はてなブログに引っ越してきました。

住めば都・山間部編 その①

 時々どこの街が住みやすいか?といった統
計調査が発表される。
 それら上位にランクされた街は、好感度の
高さを維持している街ばかりである。
 私は、どこが住みやすいのか、ということ
を考えてみた時、いつも思い出す話がある。

 私の母の同級生の女性は、隣の県の山深い
場所で日本茶を栽培しており、加えて製茶工
場も経営している。
 それがどれほどのものなのかはっきりとは
わからないのだが、生産と製造を兼ねてそれ
なりの規模の事業といえるようだ。
 その女性(ここではおばさんと書かせても
らう)の住まいは山の天辺に近いところにあ
り、畑や工場も近いところにある。
 周囲には家は無く、お隣の家までは歩いて
10分ほどもかかるのだそうだ。
 家が無いのでお店などは無く、買い物には
最寄の商店街までクルマで30分ほどかかる。
 日常の暮らしに必要な品は大体そこでまか
なえる。
 だが月に何度かはより大きな街にクルマで
さらに1時間ほどかけて出かけて用事を済ま
せることになる。
 このおばさんは、小さな会社ではあるが一
応は社長夫人という身分であり、その他にも
副工場長であり営業担当重役でもある。
 そのためか、元々そういう人なのか、しゃ
きしゃきしていて、普通の男よりもずっとエ
ネルギッシュである。
 そのおばさんが、ある日、街で開かれた布
団の販売会に出てみたそうだ。
 これは空き店舗などに主婦などを集め、粗
品などを配ったりして高額な布団を売りつけ
るといういわゆる催眠商法であった。

 ~続く~