不二家憩希のブログ

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線の切れ目が縁の切れ目。その⑨

 S電器店の主人がシーリング変換プラグを
持って行ったのは間違いない。
 だが、証拠も無い。
 それにシーリング変換プラグは、一個180
円ほどで安い。
 こんな安いものを持って行かれたと言って
警察に訴えるのも気が引ける。
 おそらくS電器店の主人も、そのあたりを
計算した上での行動だったのかもしれない。
 状況は違うが、万引き犯の中にはあらかじ
め自分で弁償可能な額の物しか盗まない者が
いる。
 後々ことが大きくならないように、という
予防線を張っているのである。
 それにしても、電器店の主人がこんな小さ
く安い物を盗むとは、私の想像を超えていた。
 自分の店で卸価格で手に入るではないか。
 何故、自分の手を汚すようなことをするの
だろうか?
 S電器店の主人は、元々手癖が悪いのだろ
うか?
 世の中には迷惑で非常識なことを平気で行
う人が沢山いるが、S電器店の主人もそうい
う中の一人なのであろう。
 あまりに非常識なことが堂々と行われると、
何が正しいのかわからなくなってくる。
 ちょうどその日、お隣のKさん宅に用事が
あったので、ついでにこのことを店の名前は
伏せて話してみた。
 Kさんも「え~、それはおかしいねぇ」と
首をひねった。
 これは誰が聞いても、おかしな話のようで
ある。

 私は、この件について、どう決着をつける
かについて考えた。
 私の頭の回転もこうした時には、速くなる。
 普段もこれくらい早ければいろいろと助か
るのだが、そうもいかないらしい。

 私はS電器店からシーリング変換プラグを
取り戻すことにした。 

 ~続く~