不二家憩希のブログ

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「刑事コロンボ・殺人処方箋」を観た。

 ビデオに録画しておいた「刑事コロンボ
殺人処方箋」を観た。
 この作品は、刑事コロンボの第一作目であ
る。
 製作当時は単発作品として作られており、
この作品が好評だったため米国の「NBCミステ
リームービー」のシリーズとして製作が決ま
ったのである。
 この作品の頃のコロンボは、まだ若く、見
た面も清潔感がある。
 後にトレードマークとなるよれよれの身な
りではないのだ。
 お馴染みのレインコートは着ているものの、
まだよれよれではない。
 髪型も後のキャベツ頭ではなく綺麗に整え
られている。
 靴もドタ靴ではなく、普通に手入れされて
いるものである。
 高そうな茶色のバッグを持っていて捜査資
料をそこから出すシーンもある。後のコロン
ボは、あのようなまともなバッグは持ち歩か
ず物はコートのポケットに入れているか、紙
袋に入れている。
 スーツの色も茶色ではなく青と薄紫の中間
のような色である。
 スーツはこれを後に茶色に染め直している。
 新調せずに染め直すとは意外である。
 ちなみにこれらのコロンボにお馴染みのス
ーツやネクタイ、レインコートはピーター・
フォークの私物で、それを撮影に使用してい
たのだ。
 愛車も古そうなものだが、有名となったプ
ジョーではない。
 コロンボの独特のキャラクター設定は、ピ
ーター・フォーク自身により行われており、
より風采が上がらないように工夫されていっ
たそうだ。

 この作品は、元々単発で終わるものだった
ためか、刑事コロンボの精髄が織り込まれて
いる。
 中でも、頭の切れる犯人を自分が追い詰め
られるか、という話題に対し、コロンボが語
るポリシーは明快である。
「刑事は秀才ばかりではない。だが、どんな
に頭が良い犯人でも犯罪を犯すのは一生に一
回限りだ。私達は年に100回もの犯罪を扱って
いる。これは大した修練なのだ。だから犯人
に負けることは無い」
 粘り強さが悪用された聡明な頭脳を打ち負
かすのである。
 この考え方は「刑事コロンボシリーズ」全
体を貫いており、これがファンを魅了してい
るのだと思う。
 
 この「殺人処方箋」は作品のデビューを飾
るに相応しい名作である。