県内山間部の社長の休日の過ごし方。

　私が購読している新聞の地域面に、当地の
中小企業の社長が自分の休日の過ごし方を語
る欄が週一回社長の顔写真入りで掲載されて
いる。
　先日のこの欄には、県内の山間部の会社の
社長が載っていた。
　その社長のこの時期の楽しみは、狩りだそ
うだ。
　主な獲物はシカである。
　シカは可愛い大人しいイメージがあるが、
現代では植林した苗を食べてしまったり、里
に下りてきて畑を荒らしたりしている。
　地元の林業と農業にとっては完全に害獣な
のである。
　その社長は狩猟仲間とチームを組んで猟に
出る。
　シカの獣道をチェックしシカの行動を予測
し作戦を立て猟をする。
　毎回成果が上がるわけではないそうだ。
　地域の皆とわいわい言いながら一日山を歩
くこと自体が楽しいそうだ。
　それでも、今シーズンは25頭を捕獲したそ
うだから、なかなかのものではないかろうか。
　獲ったシカは焼いたり煮たりして食べる。
　シカ肉は脂肪分も少なくおいしいそうだ。
　シカ肉は本格高級フランス料理には欠かせ
ない食材なので、きっとおいしいのだろう。
　猟のオフィシーズンには何をしているのか？
という問いには、自家用の野菜を育てたり、
魚釣りをしたり、だそうだ。
　この地域は、渓流の釣りの絶好のポイント
がいくつもあり、県内の都市部からも釣り客
が集まるのだ。
　自宅から数分のところにそんな釣り場があ
れば、釣り好きにはたまらないであろう。
　まるで、「ダーツの旅」の世界である。

　この社長の顔写真は、他の地域の社長の様
に澄まし顔ではなく、ニコニコ顔であった。