不二家憩希のブログ

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P・フォーク~コロンボ警部を生み出す。その22

 ”刑事コロンボ”の原作である脚本には「トッ
プコート(防寒着)を着ている」とある。
 コートは私立探偵や刑事にはお馴染みの服
装である。
 ピーター・フォークは、この設定を無視した。
 フォークは、「ハイ、そうですか」と脚本の指
示通りに動く俳優ではないのだ。
 フォークはコロンボ警部の衣装に防寒着とし
てのコートではなくレインコートを選んだ。
 レインコートを着た刑事とは、前代未聞である。
 どうしてレインコート?と思ってしまう。
 後年インタビューに答えたフォークによると
「雨が殆ど降らないカリフォルニアでレインコート
を着せることにより、コロンボに強い個性を持た
せようとした」のだそうだ。
 おぉ~、これぞピーター・フォークの役作りの
見事さである。
 カリフォルニアとレインコートという普通ではあ
りえない組み合わせを思いつくとは、ピーター・
フォークのセンスは天才的と言えよう。
 また視聴者は「どうしてレインコートを着ている
の?」とコロンボ警部に強い印象を受ける。
 「あぁ、あのレインコートの刑事か!」と記憶に
残る。
 またフォークは、こうも語っている。
 「レインコートを着せることで、コロンボが服装に
頓着しない人間だと言うことを表そうとした」
 フォークのこの目論見は大成功したことは、皆さ
んご存じの通りである。
 
 ~続く~